【新企画】祝!1000アクセス記念! ~マニア目線からではない飛行機の仕組み~ ランディング・ギア
こんにちは。日ごろから見てくださってる皆さん、ありがとうございます。
昨年から始めたこのブログ、最近ではかなりアクセス数も順調に伸びつつあり、1000アクセスを超えました。書いてることが多分コアな内容なので、記録程度に残しておこうと思って書き始めましたが、まぁよくここまで続いたなぁと。
(1000アクセスくらい(笑)と思うかもですが、されど1000アクセスですよ。この文章力皆無のオタクのブログが1000アクセス‼‼)
そんなわけで、今回は新企画ということで僕の知っている知識を少し、航空マニアの皆さんにおすそ分けしたいと思います。
(自分も大して詳しいわけじゃないですし、かなり脚色して書くので、間違っていても気にしないでください。)
みなさん、飛行機の部位?部品?のなかで、一番力のかかる部分ってどこだと思いますか?
機体の勉強ってここから始まるんです。
飛行機について多少なりともノウハウのある人はすぐにいくつか出てくるかもしれませんが。
答えは、
ランディング・ギア(Landing Gear)
Landing:着陸 Gear:装置
です。
これですこれ。要するに、地上にいるときに使う脚ですね。
航空機の部品の中には、軽く作って重さを減らす部分と、大きすぎる力がかかるので絶対に軽くできない、頑丈に重く作る部分があるのですが、ランディングギアは後者です。
軽く強度を持たせる作り方はあるのですが、衝撃荷重が繰り返しかかるので、ランディングギアには不向きです。それについて語ると記事が一つできてしまうのでまたの機会に。
飛行機の表面(外板)や主翼の部材は大抵、上のB777もアルミニウム合金でできていますが、ランディングギアは鋼が主な材料です。
鋼はまぁ鉄だと思ってもらって構わないです。
アルミと鉄だったら、鉄の方が重いですよね。
上の画像の飛行機を例にとって話を進めますね。
B777(-200)の最大離陸重量(離陸できる最大の重量)は545,000ポンド、およそ247トンです。想像できますかね。
離陸前、普通乗用車247台分の重さを14本のタイヤと、屈強な脚で支えてるわけです。
頑丈に作らないとポキって行っちゃいますよね。
さらに、ランディングギアにはとても大きな使命があります。
着陸時の機体の荷重を受け止めることです。
着陸時は離陸に比べたら、燃料が減っているので結構軽くなってはいるんですが、それでも100トン以上は余裕でありますよ。ええ。
乗っててもわかりますけど、ドーンってなりますよね。着陸するとき。
これもまた金属の話になるのですが、金属材料というのは繰り返し大きな衝撃を受けると、強度が下がっていきますから、着陸時の機体の荷重を一日に何回も受け止めるというのは、部品にとってかなり過酷な状況で使われているんです。
また、着陸時の衝撃を吸収しつつ、着陸した時に跳ねちゃいけないんです。うーん、ジャンプしちゃいけないって言う方が伝わりやすいかな。
スーパーボールを地面に叩きつけたことありますかね。物体は地面に強く当たると、跳ね返ろうとする力を持ちます。これを抑えないと乗り心地も悪いし、最悪事故に至るケースがあります。
✈[4K] 成田空港重大インシデント 大韓航空機着陸時に右車軸折れ火花散る Korean Air B777 HL7573 @Narita Airport rwy16L(成田空港)
よく見るとわかりますが、これは右脚が跳ねてしまって車軸が折れてしまいました。
こうなると大韓航空の整備士さん、この機体をストップさせて大急ぎで日本まで直しに来ないといけません。会社としても大きな損失になるわけです。
パイロットの腕による部分も大きいですが、これを防ぐための機構もしっかり備わっています。それがこちら。
ショックストラット(shock Strut)ですね。
Shock:衝撃 Strut:支柱
簡単な図(借り物)ですが、大まかにこんな感じです。
大きなピストンシリンダ(筒)の中に、空気と油を充満させます。(本当は、燃えないようにするのと、最も化学的に安定なので気体は窒素ガスを使用します。油は標準的な作動油です。)
筒の中に一か所、狭くなる部分を設けておきます。
理科の実験で水と空気を注射器で推し縮める実験やったことありますかね。小学生の実験だったかと思うんですが。水は縮みませんが、空気は縮みますよね。
幼いころそれで注射器何度も壊しました
タイヤが地面につくと、強い力でピストンを押します。すると、筒の中の狭くなっている部分を通る油の量が変化します。押し縮められていくにしたがって、通過する油の量は減っていくので、シリンダが止まります。まずはそこで受け止めます。
それだけだと硬いので、その衝撃を筒の上部に溜まっている空気がギュッと推し縮められて、衝撃を緩和します。
着陸時の衝撃が済んだら、油が少しづつ流れることによって、ピストンの位置が少しづつ戻っていくので、跳ねることを防止するわけです。
ちょっとイメージが難しいかもしれません。車のサスペンションで、縮むけど伸びない仕様の物…みたいな感じです。イメージは。それを油圧でやってる…みたいな。
要するに、縮みやすく伸びにくい構造です。
この言葉を答えられたらランディングギアは満点!!!
ここらで本物見てみましょう。
Main Landing Gear of Boeing 777-300/ER - close-up shots -
実際にANAで運用されている飛行機の脚です。タイヤの上に伸びている太い筒の中、油と上の方に少し空気が充満されているといった具合です。
この油が少なすぎたり多すぎたりすると着陸時に事故ってしまうので、整備士さんたちは飛行機が到着したら、脚から油漏れがないかどうか、いつもチェックしてますよ。
そんなわけで、飛行機の着陸見ましょうか。
脚よく見てみてください。シルバーの部分が縮んでいるのが良く見えるかと思います。
[4K] 間近に見る豪快な着陸・離陸 ANA Boeing 777-200, 777-200/ER at Osaka Itami Airport / 伊丹空港 全日空
以上で、しののめによる、もっと知りたいマニア目線ではない飛行機の話、第1話おしまいです。
画像は少なめですが、難しい英語や科学的な話は避けて説明してみました。どうでしょうか。
少しでも飛行機について理解を深めていただけたら、幸いです。
需要がありそうであれば、またやりますね。
では(^^)